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一橋大学でRubyの非常勤講師をはじめました

4月から非常勤講師としてRubyを教えています。きっかけは、昨年度まで講師を担当されていた、いがいがさんからの紹介です。教えるといえば、これまでに日経ソフトウエアに記事を書いたことがあります。不特定多数への一方通行の雑誌と違って、対面でのやりとりは特有の緊張感があります。リアルタイムで反応が見られる分だけ、うまく説明できたときの喜びも大きいです。

どんな学生さん?

受講者は30名ほどです。文系の大学なのでプログラミングが初めての人ばかりと思っていたのですが、半分くらいの人が経験者でした。経験者の方は理解が早く、どうすればより綺麗なコードを書けるかといったやり取りを楽しんでいます。とは言え、授業のメインは未経験者の人に楽しみながらプログラミングに親しんでもらうことなので、資料は未経験者の方を対象にして作っています。まだプログラミングの本格的な講義は今日で2回目ですが、戸惑いつつも未経験者の方の立ち上がりが予想以上に早いです。

それから意外と(失礼!)みなさん時間どおりに集まっていただいています。Rubist時間じゃない!

Rubyの開発環境

この講座はニフティさんの寄附講座です。Rubyの開発環境はニフティさんのクラウドであるC4SAを使わせていただいています。Webブラウザ上で動くエディタやファイラーが用意されていて、Webブラウザだけでプログラムを書いて実行までできます。昨年度までは、それぞれのPCやMacにRubyの開発環境を構築していて、OSの違いによるトラブルも多かったそうですが、今年度はWebブラウザだけあれば良いので、驚くほど環境トラブルがなかったです。

C4SAも先月まではRubyやRailsのバージョンが古かったのですが、この講義のため(?)にバージョンが新しくなりました。うれしい。残念ながら2.1ではなく2.0ですが、UTF-8のマジックコメントから開放されるだけでも大助かりです。

C4SAに似たサービスとして、Nitrous.IOというのもあるようなので、これからRubyをちょっと始めてみたいという人には良い選択肢が増えたと思います。特に多数の人に短期間で教えるようなシーンでは。

講義資料を作ること

これまでの講義資料はSpeaker Deckで公開しています。

受講者の方で将来的に職業プログラマになる人はあまりいないと考えました。そこで、プログラミングは目的ではなく手段と捉えて、講義資料を作成しています。参考書は定番のたのしいRuby第4版ですが、厳密にRubyの用語を覚えるよりも、動くものを作る楽しさを感じてもらえるようにチュートリアル形式としています。

  • 第1回 ガイダンス … なぜプログラミングを書くのかについて、自分なりに悩んで書いた。
  • 第2回 環境構築 … ニフティさんのC4SAを使ったのであまり出番なし。qiita.comに書いたはじめてのRuby環境構築 (Windows編その1)はお蔵入りに。
  • 第3回 はじめてのプログラミング … 身長と体重からBMIを計算するプログラムを例に、変数、オブジェクト、入出力を説明。プログラムが身近に感じられるよう、なるべく具体的なテーマにしたかった。C4SAでコマンドラインからrubyを実行できるようにシェルの使い方も説明。
  • 第4回 irb, 制御構造 … 引き続きBMI計算をテーマに、条件分岐を説明。手を動かして試せるように、最初にirbの使い方を説明。

https://www.amazon.co.jp/dp/4797372273

もちろん資料は1から作ったのではなく、昨年度の五十嵐さん資料をかなり流用しています。RubyとRailsの入門として最適なので、もっと活用されるべき。ありがたや〜。

講義の場に立つこと

何回かやってみての感想ですが、やっぱりプログラミングは話を聞くよりも手を動かしたほうが楽しそうですね。講義ですべてを説明しようとすると情報量が増えてお腹いっぱいになるので、ポイントと調べ方を教えて、あとは実習で試行錯誤するほうが良さそうです。もう少し資料の量を減らして厳選したい。

ともあれ、このような貴重な場を与えていただいた皆様に感謝です。全力でやります。

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