まちゅダイアリー

ITpro Challenge 2008

2008-09-05

今日はITpro Challenge! 2008の日。 去年はLTで話したけど、今年は普通にゲストとして参加させてもらった。 なぜかずっと来週 (9月12日) だと思い込んでいて、 Google カレンダーを開いて今日だということに気がついたのが前日だったという…。 あわてて休みを取ったよ。 会場の様子は Ustream でネット配信されていたみたいだけど、僕が印象に残ったところをメモを取ったので日記に書いておこう。

モバゲータウンをこうして作った (DeNAの川崎さん)

ケータイではiチャネルとかGMailのチェックくらいしかネットを使わないけど、そんな僕でもモバゲーという名前は知ってる。 そんなモバゲーや、それ以前に作ったモバオクについての話だった。

モバオクについて。 トラフィック増加については、今ならAmazon EC2のようなクラウドサービスを使うのかな?

興味深かったのはケータイ文化の話。 「短い文面で即レス」が基本ということ。 確かに、常に携帯していて、入力に時間がかかるデバイスだから、そうなるんだろうなぁ。 そういえば、同じコンセプトの音声版であるプッシュトークは流行ってなさそう…と思ったら「対応端末を所有しているユーザーのうち8%が月1回以上発信している」っていう状況みたい。 最後のQ&Aで、文化作りについて質問がでていた。この回答も興味深かった。

開発スタイルは短期集中型。それも、かなり緩急が激しい・

もう一つ興味深かったのが、どんどん増加する負荷への対応方法。 意図的にWebサーバの1台にトラフィックを集中させ、そのサーバが落ちたら対策を考えるというスタイルを取っていたとのこと。 これって、「炭坑のカナリア」に似てる。

会場からのQ&A。

オープンソースで育つエンジニアリング・スキル (Nexediの奥地さん)

Nexedi(ネクセディ)のCTO&日本法人の社長さんで、プライベートではブートローダー GRUB のの主要開発者でもある。

なんとなくだけど、バランス感覚の高い人だなぁ…と思った。

オープンソースの重要性について。

ちょうど、「ローマ人の物語」の最新刊を読んでいたせいか、この機会平等って言葉が頭に残った。 新しい人が参入しやすいってことが、ここまでオープンソースが発展した一つの理由。

最後は、「プログラムと経営は似てる」という話になってた…けど、経営の経験がないので良くわかんない。

Why Open Matters (Six Apartの宮川さん)

Perl コミュニティであるShibuya.pmを立ち上げて育てた方。 僕の中では、今日の講演の中でいちばんの内容だった。

最初に自己紹介。

そして大学のお話。

ちょうどStrutsやPHPが伸びてきて、クライアントからPerlは古い印象を受けていたと。 オープンソース化は、それを払拭する目的もあったとのこと。

プレゼンが終わったときは盛大な拍手。

シミュレーション的発想によるプログラミング(Dreamboat 技術顧問の金子さん)

大人の事情により、配信はなしということ。

講演のキーワードは「複雑系」。 これは、入力値が少し違うだけで結果が大きく変わるような系(システム)のこと。 ニューヨークの蝶の羽ばたきで日本の天気が変わる…って例を本で読んだ記憶がある。

プログラムも同じで、基本的には同じ入力値からは同じ結果が得られるはず。 でも、ちょっと入力値が変わっただけで(プログラムが変わらなくても)結果が大きく変わるので、プログラムを動かしてみるまでは結果が予測できないことになる。 司会の弾さんは、「決定論」という言葉を使ってた。

まさに、職人という印象。 自分とは全然違う世界だけど、それが面白かった。

ライトニングトーク

ここでノートの電源が切れたのでメモ終了。 少し疲れたので、ライトニングトークは頭を空っぽにして聞いていた。 個人的には、id:quill3さんの「ギーク図書館」が一番面白かった。 お気に入りの図書館の予約システムが使いにくかったので、勝手にマッシュアップして使いやすくしたという話。 たぶん、元のシステムは先に機能ありき(○○ができること、という仕様書がたくさんありそう)で、使い勝手は後回しだったんだろうな。 システムの使いやすさは、作る人の愛着にかかっているんだな…ということと、「人に文句を言う前に自分の手を動かす」ということが印象に残った。

と、今年も刺激を受けたイベントだったよ。

追記

オレンジニュースさんとこに補足されてたので追記。 他の人のレポートは「itprochallenge」を含む注目エントリーでチェックできるよ。