WEB+DB PRESS Tech Meeting
先日申し込んだ WEB+DB PRESS Tech Meeting に行ってきたよ。 会場は六本木にある東京ミッドタウン。クリスマス前だからか、ライトアップされた入り口がきれい。 すでに詳細なレポートがあがっているので、まずはリンク。
ITpro Challenge! の時のように、講演される方はとっても豪華な顔ぶれ。 これで無料なんだからなぁ…。
せめてもの還元(?)として、僕の感想を書くよ。 レポートは先に挙げたリンク先が詳しいし、後日ニコニコ動画にも載るらしいので、ここでは自分がどう感じたかについて。
全体的な感想
プレゼン時間は1人25分だったんだけど、どれも25分とは思えないほどの濃いプレゼンだった。 やっぱり何かをアウトプットしている人が強いなぁ…と、改めて思った。
JavaScript Tips & Technique
id:amachang による JavaScript の近況と、 JSDeferred という非同期処理を実現するライブラリの紹介。 JavaScript と Flash を比較して、今の JavaScript でもできること (グラフィック, アニメーション) と、これからできるようになること (HTML5 で音楽やムービー、XMLHTTPRequest2 でクロスドメイン通信) がある、と。 個人的には XHR2 のクロスドメイン通信にとっても期待。 どういう風にアクセス制御するのかと思っていたけど、 Flash の crossdomain.xml みたいにサイト側にポリシー情報を置く仕組みみたい。 crossdomain.xml よりももう少し細かく、ファイル単位でのアクセス制御もできるみたい。
JSDefferd は cho45 さんが作った非同期処理のためのライブラリ。 これはグッドラッパーだなぁ。
SIビジネスに未来はあるか!?
これはクリティカルヒットだった。
スタロジの羽生さんによる、 SI ビジネスの展望のお話。 インフルエンザ&動画公開なので控えめに話しますってことだったけど、エネルギー感にびっくりした。
最近 DIS られまくりの SI 業界だけど、ちゃんと未来はあるよ。でも、努力しないとダメだよ、と。 経営者らしく、ビジネス的な観点からのお話がメイン。 大手 SIer との戦い方(技術力と小回りを活かした勝負)とか、 SIer 自身が IT で効率化しないととか、右から左へ流すだけだから人月商売になるとか。 当たり前のことなんだけど、その当たり前のことをしっかり実行することが強さだなぁ…と感じた。
印象深かった一言は、新 3K について業務改善の余地がたくさんあるのでは?と指摘した後で、「僕には宝の山に見えますけどね」と言ったこと。
あぁ。なるほど。
みんなが困っているときに、一緒に困ったと言うだけじゃ何にもならない。
その状況を変えられた人が新世界の神…じゃなくて勝者になると。
「ピンチはチャンス」という言葉を思い出した。
個人のエンジニアに向けたメッセージでは、「コミュニティ幻想…コミュニティに属しているだけでは何も変わらない」「優秀でもアウトプットを出さないと評価されない」という言葉を肝に銘じようと思った。
元気がでるプレゼンだったなぁ。 普段自分が考えているようなこと(顧客重視、グチを書かない、ブログにアウトプット)が間違いじゃないんだな…と思えたことが良かった。
うちではこんな感じです 〜 Linuxロードバランサの活用事例
DSAS開発者の部屋のひろせさんによる、一転して技術的なお話。 ロードバランサについてなんだけど、楽しくてやっているというのが伝わってくるプレゼンだった。 半分冗談だろうけど、「ロードバランサを触るのが面白くて睡眠時間が増えなかった」的な話を聞いて、あぁ、やっぱり仕事でやるならとことん突き詰めないとな…と思った。
受託開発を楽しむ。〜 もっと「ソーシャルに」仕事する!
角谷さんのところの英和システムマネジメントの岡島さんによる、品質のお話。 バグ曲線の話は Web にあまり出てこない…でも重要な話だと思う。
前半は Productive Bug (生産的なバグ) を増やし、つまらないバグ (非生産的なバグ) を減らそうという話だった。
- つまらないバグは単体試験の前につぶしておく。
- 結合試験で発見されるようなバグを単体試験の時に見つける。
言い換えると、問題を早期に発見しましょう、と。 ウォーターフロー開発の説明で「後工程になるほど修正コストが増えますよ〜」ということが言われるような話だなぁ。
ただ、そのための具体的な手法をご自身の経験を元に話されているので、ぐっと説得力が増している。 問題を早く見つけるためには、「テストの回数」×「テストの質」が大切になる。 テストの回数を増やすことで、早く問題を見つけるチャンスが増える。 でもいくらチャンスが増えても、テストで問題を発見でないと意味がない。 だから、テストの質を高めることが大切。 そのための手法がテストファーストなどのテスト駆動開発 (TDD) だよ、と。
「アジャイル」ってなんだかいいかげん…と思うような人には、こういう風に論理的に説得すればいいのか、と妙に納得してしまった。
後半はソーシャルな話。リーダーのタイプとして、周りを引っ張るタイプと周りをうまく使うタイプがいるよと。 後者は踊る大走査線2の室井さんみたいな感じかなぁ。 一人で引っ張るには限界があるから、周りをうまく使おうねと。お客様とも直接コミュニケーションをとってもらおうねと。 (作り手・使い手の顔が見えるのはお互いに大切だと思った)
プレゼンではこのトップダウン・ボトムアップの軸に、プランニング・アドリブの軸を加えてリーダーを4つのタイプに分けていた。 面白かったのは、その4つのタイプのリーダーごとに、「上手な付き合い方」を紹介していたこと。こういう話はもっと聞きたいなぁ。
春に出るという受託本が楽しみ。
Alpha Geekに逢いたい[LIVE]
弾さんとid:naoya さんの対談。
ノートにメモしていたら2ページになってしまった。 対談らしく話があちこちに飛ぶ(詳しくはゆーすけべーさんの速記ログ参照)んだけど、それがまた面白い。 弾さんは40代だと思ってたら 0x26 歳だった。すみません。
打ち上げという名の懇親会
会場から3〜5分くらい歩いたところにあるお店(バー…かな?)で懇親会だった。 全員分の椅子を用意していただいていたんだけど、なんだかんだでみんな立食スタイルになってた。 いろんな意味で濃い空間だった。
REST 本の監訳をされた yohei さんと、結構長い時間お話させていただいた。 それから、 id:naoya さん、 id:yappo さん、 id:amachang さん、 id:ogijun さんにも少しだけご挨拶。naoya さんとは、はてなのAPI関係のお話。運用しながら新しい API を加えていくのは大変だよね、と。
id:maedana さんにも声をかけていただいた。 チケット駆動開発をやってます〜って言われた。 ちょっと嬉しい。 帰宅してから ITpro Challenge!のメモ を書かれた方だったということに気が付いた。><
もう少したくさんの人とお話すればよかったなぁ…と少し後悔。
おわりに
感想を書いてみて思ったけど、 SIer 話の分量が多いことに気が付いた。 自分の興味がそっち側にある証拠なんだろうなぁ。
ともかく、こんな素敵な場を用意していただいた WEB+DB PRESS のスタッフの皆さんと講演者の皆さんに感謝。